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人生の考え方を変えてくれたアドラー心理学
私の人生の考え方を大きく変えてくれた書籍「嫌われる勇気」をご紹介します。この本はアドラー心理学について青年と哲人の対話という形でまとめられた本です。
私は、この本を読む前に仕事で体調を崩すなど人生に少し躓いていたのですが、この本を読んで考え方が大きく変わりました。「嫌われる勇気」というタイトルは、最初「どういうことだ?」というように思いましたが、本書の中の考えは、私にはすんなりと入ってきました。
少しでもアドラー心理学について興味を持っていただき、本書を読んでもらえたらと思ったので、私の気に入っている考え方についてまとめました。
仕事で体調を崩した経験
ちょうど新入社員で入社して2年目の頃、残業が多く、さらに仕事もうまく成果が出せないというように心身共につらい時期があり、極度に落ち込んだり、なかなか寝られなかったり、体調を崩したりしました。結果、「抑うつ状態」と診断され、会社を半年間休職することになりました。
正直今までの人生で一番ダメだった時期だと思います。
嫌われる勇気との出会い
何とか体調取り戻して、ちょうど復職した頃であったと思います。ふと手に取ったのが「嫌われる勇気」でした。特に気になった項目は以下で、その後は私の考え方を大きく変えてくれました。
- 原因論と目的論
- すべての悩みは対人関係
- 課題の分離
アドラー心理学をすべて理解できたとは到底思えませんし、実践はとても難しいのですが、私が特に気に入った考え方について記載していこうと思います。
人生に活かせるアドラー心理学
本書では、「世界はどこまでもシンプルで、人は今日からでも幸せになれる」という哲学者「哲人」と、それに納得のいかない青年の対話で話が進んでいきます。その中で、私が気に入った考え方についてピックアップしてご紹介します。
目的論と原因論
本書ではいきなり「トラウマは存在しない」と明確に否定しているところから話が始まります。アドラー心理学では、過去の原因に目を向けるのではなく、現在の目的に注目します。
トラウマで引きこもっている人がいたとして、それは、過去の原因があるからではなく、現在の「外に出たくない」という目的を達成するために、不安という感情を作り出しているというのです。
区分 | 概要 |
---|---|
目的論 | 「目的」が存在し、それを達成する手段として、様々な感情を持ち出しているという考え方 |
原因論 | 過去の「原因」があり、その結果として現在の感情等が生じるという考え方 |
例えば、会社の打合せで激高して怒りの感情をぶつけてくる上司等を見たことはありませんか?目的論の考え方に従うと、これは自分の意見を通すために「怒り」の感情を用いているだけということになります。この考え方が分かると、仕事で怒っている人を見ても「何を目的にこの人はこういう感情を使っているのか」と客観的かつ冷静になることができるようになりました。
賛否両論ある考え方かもしれませんが、過去の原因で今があるのではなく、すべて何かの目的のためであるというのは、前向きな考え方のように感じていて非常に気に入っています。
すべての悩みは対人関係の悩みであることを理解する
本書では、「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言っています。仕事でうまくいかないときは「他人がに迷惑がかかる」から悩みます。内面的な悩み、例えば、自分の見た目に自信がないというのも「他人が自分を評価している」という他者との関係性の中から生まれてくる悩みです。他者と比べてしまい劣等感を感じることは多いですよね。
本書では、「劣等感」と「劣等コンプレックス」という言葉を使い分けて説明されています。劣等感は成長のためには大事なものだけれども、劣等コンプレックスに陥ってしまうのは問題であると言っています。
区分 | 概要 |
---|---|
劣等感 | 自分の求める理想に対して、劣っているような感覚 |
劣等コンプレックス | 自らの劣等感を言い訳にしだした状態 |
私が体調を崩した頃は、劣等コンプレックスの状態であったのだと今では思います。復帰して社会人を続けてきたら、当時の自分は何もできていないわけではなかったということが分かりました。つまり、自分が主観的に勝手に劣っていると思い込んでいたのです。そして、それを言い訳に勝手に体調を崩していったように思います。
哲人 健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。
嫌われる勇気 より引用
劣等感を感じることは今もたくさんありますが、それを理想との自分とのギャップなのだととらえて、他の人はなるべく気にしないようにしています。と、格好よく言っていますが、正直簡単ではありません。劣等コンプレックス状態に陥りそうなときは、なるべくこの考え方を思い出すようにしています。
課題の分離
私が本書で一番好きな考え方は、この「課題の分離」です。課題の分離とは、自分の課題と他人の課題を明確に分け、他人の課題には踏み込まないようにするという考え方です。
われわれは「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを分離していく必要があるのです。
嫌われる勇気 より引用
見分ける方法はシンプルです。「ある選択をしたときに結果を引き受け、責任を取るのは誰か」を考えます。
私が体調を崩した時は、仕事で自分の責任範囲でないことでも何でも自分でやらなければならないと考えて、色々と考え過ぎて自分の許容できる限界を超えてしまっていました。現在では、自分の課題と他者の課題を分け、自分の課題に注力することを意識して仕事をするようにしています。これも正直簡単ではありませんし、確実にできているわけではありません。この考え方を持ち、時々思い出すことによって、以前よりも不必要にストレスを感じることはなくなったように思います。
まとめ
私の人生の考え方を大きく変えてくれた「嫌われる勇気」についてご紹介してきました。アドラー心理学は、分かったような気になれても、実際に実践することは、正直とても難しいように感じます。私も生きていく中で時々思い起して、意識しながら生活するようにしています。
自分の軸となるような考え方を提供してくれた本書には感謝しています。少しでも気になった方は手に取って読んでみていただけるとよいと思います。