私はもともと某電機メーカーのSE(システムエンジニア)でしたが、現在は製造業の社内SEに転職しました。
社内SEへの転職を決める際に考えたポイントについて私の実体験をもとにご紹介します。
Contents
社内SEへの転職はどうなのか?
私は以前は某電機メーカーで官公庁で使用されているシステムのSE(システムエンジニア)をしていました。
SEには、大きく分けて電機メーカー等で働いているSE(以降、本記事では一般SEと書くことにします)と社内向けシステムを開発する社内SEの2種類に分けられると思います。
一般SEとして働いていて、現在は社内SEとして働いている私が思う社内SEへ転職を決める際のポイントについてまとめます。
社内SEへ転職を決める際のポイント
私のように現在メーカーの一般SEで働いていて、社内SEへの転職を考えている方向けに転職を決める際のポイントについてまとめます。
【社内SEへの転職が向いている人】
- 発注される側ではなく、発注する側になりたい
- 残業時間は少なくしたい(一般SEに対して相対的に少ない)
- 下流工程(プログラミングや試験)より上流工程(要件定義や基本設計)で全体像を考えるのが好き
- 利用者に近い立場でシステムを導入したい人
【社内SEへの転職が向いていない人】
- 最先端の技術開発を追い求めたい
- プログラミングが大好き
以降では、上記について少し細かく記載していきます。
社内SEに向いている人
発注される側ではなく、発注する側になりたい
まず、一般SEと社内SEで根本的な違いがあります。
前者は、他社からの要求や設計に従って発注されて開発を行います。後者も社内利用者から要求がある点は同じですが、自社ですべてを開発するというよりは社外のベンダー等を用いて発注して開発することが多いです。(もちろん全てではなく一部ツール開発などは社内実施することはあります。)
つまり、一般SEは発注される側で、社内SEは発注する側※という大きな違いがあります。そのため、発注する側になりたい人は、社内SEへの転職は良い選択です。
※企業により違い自社で全て対応する企業もあるかと思いますが、私の働いている製造業のように主たる業務がITではないような企業は発注する側になるケースが多いと思います。
残業時間は少なくしたい(一般SEに対して相対的に少ない)
上記の発注する側か、発注される側かという違いにも大きく影響を受けていますが、残業時間は相対的に少なくなることが多いです。納期などに対する厳しさは一般SEの方が精神的にも負担が大きいのは、転職して実感しています。(もちろん社内SEが納期を守らなくてよいと言っているわけではありません)
私の場合も、転職前と転職後では残業時間が大幅に減り、平均的には月10~20時間ぐらいの残業時間です。前職では結構発生していた徹夜で対応したりといった仕事もなくなりました。
下流工程(プログラミング)より上流工程(要件定義や基本設計)で全体像を考えるのが好き
SEの仕事の工程では、要件定義や基本設計を行う工程を上流工程、プログラミングや試験を実施する工程を下流工程があります。上流工程は指示者、下流工程は作業者といったイメージが分かりやすいかもしれません。
社内SEでは、社内の利用者のやりたいことを確認し要件定義や基本設計を行い、以降の工程は社外のベンダー等に発注するということをよくします。そのため、プログラミング等よりは要件をまとめてプロジェクトを推進していくような上流工程を仕事にしたい人には向いています。
利用者に近い立場でシステムを導入したい人
前職の一般SEであった時、利用者は社外の人でした。そのため、あまり利用者には近くないため、十分に利用者の問題点が分からず、システムの機能が不十分になってしまうようなこともよくありました。
一方で、社内SEは、利用者が非常に近いためより現場に寄り添ったシステム導入がしたい人にはおすすめです。また、導入後には効果が自分の会社の利益につながっていきます。つまりは、自分の会社の発展にも直接影響を与えることができるという面があります。
社内SEに向いていない人
最先端の技術開発を追い求めたい
最先端の技術(例えばAI、機械学習、IoT等々)について、技術を追い求めたい人については社内SEはあまり向いていないと思います。
社内SEは、システムの導入効果があるかどうかを判断したうえでシステムに投資するかを決めていきます。もちろん最先端の技術の検討などは社内SEでも行います。しかし、効果の評価が難しい最先端技術をすぐに導入ということにはならず、スピード感が遅いケースが多いと感じます。これは会社ごとの方針や社風にも依存する点だと思いますが、少なからずどの会社でもあるのではないかというのが私の印象です。
そのため、最先端技術に触れて、追い求めていきたい人は社内SEにはあまり向かないのかなと思います。
プログラミングが大好き
プログラミングが大好きという方もいるかと思います。そういった方については、社内SEには向かない可能性があります。
もちろん社内でツール開発などもしますので、プログラミングする機会が全くないわけではありませんが、前述のように上流工程を担当することが大半であるため、私の現在の経験からも圧倒的に機会は少なくなります。
社内SE転職の前に考えておいた方がよいと思うこと
システム開発全体をある程度経験してからの方がよい
私は、前職は大手企業ではあったためどちらかと言えば上流工程がメインでした。ただし、若手の内はプログラミングなどの流れを知るために下流工程にも入って自社や請負会社の先輩たちからも色々と教えてもらいながら経験を積みました。
その後、3年目ごろから徐々にリーダーになり、上流工程についても経験しました。その結果、前職は約6年程度でしたが上流の基本設計から下流の試験工程までまんべんなく経験をすることができました。
この経験は、今現在、社内SEになってもとても役に立っています。上流工程が主で、下流工程は外注することが大半ですが、全体で何をやるべきかということが分かっているため外注業者さんと対等に会話ができますし、具体的にどのような点に注意して仕事をしてもらうべきかも指示できます。
そのため、これから社内SEに転職しようとする人は、(必須ではありませんが)システム開発工程の全体をまんべんなく経験してから転職する方がよいのではないかと感じます。
また、社内SEに新卒のタイミングでなろうとする人が人がいますが、個人的な意見としてはおすすめしません。一般SEやプログラマとしてすべての工程を一通り経験する方が、上記の通り開発パートナーとも対等に仕事がしやすいと感じます。
まとめ
電機メーカーのSEから製造業の社内SEに転職した私が思う、社内SEに転職するポイントについてまとめてきました。これから社内SEへ転職しようと思っている人の参考になればと思います。
【社内SEへの転職が向いている人】
- 発注される側ではなく、発注する側になりたい
- 残業時間は少なくしたい(一般SEに対して相対的に少ない)
- 下流工程(プログラミング)より上流工程(要件定義や基本設計)で全体像を考えるのが好き
- 利用者に近い立場でシステムを導入したい人
【社内SEへの転職が向いていない人】
- 最先端の技術開発を追い求めたい
- プログラミングが大好き
社内SEに転職しようとする人は(必須ではありませんが)システム開発工程の全体をまんべんなく経験してから転職する方がよい
(上記は私の経験上思う個人的な意見です)
私が転職した時の流れについてもまとめました。これから転職する人の少しでも参考になればと思います。