自己啓発

アドラー心理学に学ぶ~部下育成のために大事なこと~

アドラー心理学 部下育成 大事なこと

ホッシー
ホッシー
来年度(4月から)どうやら新人が入り、私が指導員になるらしいです…。前職で1年目の子と仕事をしたことはあったけど転職してからはなかったので以前に読んだ書籍「アドラーに学ぶ部下育成の心理学」を読み返してみました。

アドラー心理学とは?

 心理学において三大巨匠と言われているのは、フロイト、ユング、アドラーの三人です。フロイトやユングはなんとなく聞いたことがあるという人もアドラーはあまり知らないのではないでしょうか。アドラー心理学とは、アルフレッド・アドラーが提唱した心理学で、日本では2013年に発売された書籍「嫌われる勇気」でアドラーが知られるようになってきたように思います。

 今回ご紹介する書籍は、アドラー心理学の考え方を部下育成に活かす方法についてまとめている「アドラーに学ぶ部下育成の心理学」です。自発的に動いてくれる部下を育てたい人にとっては読んでみて欲しい一冊です。

 アドラー心理学について考え方を知りたい人は「嫌われる勇気」や続編の「幸せになる勇気」についても見てみるとよいかと思います。

アドラー心理学に学ぶ部下の育成方法

 本書で紹介されている部下育成で大切なキーポイントは「勇気づけ」です。そのために必要なこととして、以下のように言っています。

  • ほめてはいけない
  • 叱ってはいけない
  • 教えてはいけない

 世の中一般的に言われている部下への接し方と違うと感じないでしょうか。なぜ、これらの行為をしてはいけないのか、「勇気づけ」とは何かについてまとめてみます。

全てに共通する考え方とは?

 「ほめる」「叱る」「教える」のすべての事項に共通していることは何か分かるでしょうか?それは、自分が相手よりも優位な立場であることを暗に示しているということです。明確に口に出していなくても「お前は私よりも劣っている。立場が下だ。」ということを表してしまっているわけです。

 皆さんも、上から目線で話をされると話を聞く気にならなかったり、やる気が出なくなってしまうことはありませんか? 「ほめる」「叱る」「教える」というのは、良いことのように思えるかもしれませんが、部下のやる気を削いでしまう行為なのです。

大事なことは、対等な立場で「勇気づけること」

 「ほめてはいけない」「叱ってはいけない」「教えてはいけない」…では、何もするなということか?と思う方もいるかもしれません。しかし、そうではありません。ここで「勇気づけ」が出てきます。アドラー心理学では、「困難を克服しようとする活力」を勇気と言います。部下育成では、部下に勇気を持ってもらうように接していく必要があります。

「ほめる」ではなく、感謝や感動の気持ちを伝える

 何か部下が仕事で成功したとしましょう。その時には、「よくやった。上出来だ!」という上から目線で発言するのではなく「君の仕事のおかげで助かった。ありがとう!」のように感謝や感動の気持ちを伝えるようにしましょう。こうすることで、相手は同じ立場で仕事をしていると実感でき、次の仕事でもやる気を出してくれるようになります。

 「ほめる」行為は、「ほめられないと仕事をしない人間」を作り出してしまう危険性があるとも言われていますので、注意が必要です。

「叱る」のではなく、相手へ改善の考えを起こさせる

 何か部下が失敗した時には、相手への改善の考えを起こさせるような発言をしましょう。例えば「〇〇のような対応をすれば、□□は起こらなかったと私は思うのだけど、どう思うだろう?」というように部下に考えさせます。

 その回答が自分の思う答えと一致する必要はありません。少しずれていると思えば同じように、「私の経験だと、△△みたいなことが起こったこともあるんだけど、そういう場合はどうする?」というように、自分の経験を交えて会話を繰り返せばよいのです。すると、部下は自分で考え、上司の経験から色々と想像できるようになっていきます。

「教える」のではなく、自分で考えさせる

 ここで「教える」と言っているのは、答えへの道筋をすべて示してしまうことを言います。「何をするか」は一緒に設定するものの、その後「どのようにするか」という進め方については部下に委ねるのが大事で、自分で考えられる人を育成するためには重要です。こういった具体的な内容が見えないところを「ホワイトスペース」(余白)と言います。こういった余白を設定しておくと、部下はそれを埋めようと自分で考えるようになります。

 そして、上司はその空白を埋める作業を支援することに注力するべきです。一つの方法としては、「自分の経験を話す」ということが有効だと感じます。ただし、ここでも答えとして伝えてはダメです。「私の経験上〇〇をしたら、△△が起こったことがあるんだよ。だから気を付けた方がよいと思うよ」みたいな感じにするのがよいのではないでしょうか。

 上記のように、「同じ立場を保った状態で、部下を勇気づけする」というのがとても大事になってきます。

階級・役職で判断する人はダメ

 少し部下育成から脱線するのですが、最近仕事をしていて経験したことを少し書いてみようと思います。

 私(ホッシー)は、とある企業の社内向けのシステムエンジニアとして働いています。役職は主任です。私と協力して作業をしてくれている派遣のエンジニアの方がいて、とある事業部のシステムの開発を一緒に行っています。あるツールを派遣さんに作ってもらっているときに、事業部担当の主任Aが明らかにおかしなことを言っていたため、派遣さんが指摘をしたところ後日「Aと対等な立場なのは、同じ主任であるホッシーだと思っている。だから派遣の言うことは聞くにとどめる。」というような大変失礼なメールを私と私の上司に送ってきたのです。なお、派遣さんの指摘は私から見ても妥当ものでした。私が現職で最も腹の立った出来事です。

 この事業部担当の主任Aは根本的に考え方が間違っています。仕事上やるべきことは、それぞれ以下です。

  • 事業部担当主任A:作成されたツールを使った運用を推進する。
  • 私:要件を整理し、派遣さんにツール作成の作業をしてもらう。派遣さんの作業に対する責任は私が負う。
  • 派遣さん:具体的なシステムのツール作成の作業を行う。

 このように、作業の内容や責任を負うべき範囲が違うだけで立場に上下関係などなく対等なのです。こういった主任Aの態度は、私や派遣さんのやる気を削ぐことになり、結果うまく進まないという状況に陥っています。こういったことをアドラー心理学では「勇気くじき」と言います。こういうタイプの人は私の経験上は仕事ができない人が多いです。

 担当、主任、課長、部長、事業部長、社長などのどんな階級・役職に当てはめても同じで、ただ責任を持つ範囲が異なるだけです。階級・役職により、あたかも自分が立場が上になったと思い込んでしてしまっている人は根本が間違っていると私は思っています。大事なことは縦の関係ではなく、横の関係として接すること。これは、うまく仕事を進める上で、また本記事の本題にしている部下育成でも共通する重要な考え方であると私は思っています。

まとめ

 本書では、上記の内容の他に「自然の結末」を体験させる、「論理的結末」を体験させる、課題を分離するといった内容についても具体的に記載されています。気になる方は是非書籍を読んでみてください。

 私は「ほめてはいけない」「叱ってはいけない」「教えてはいけない」という部分が、一番念頭に置いておくべきであると感じます。正直アドラー心理学は分かったつもりでも実践が難しいものです。上記のように思っていても「ほめる」「叱る」「教える」に近しいことをやってしまうことがよくあります。常々、意識していきたいなぁと思う今日この頃です。